2023/8/5 小倉室山 星と音楽の夕べ

小倉室山星と音楽の夕べ
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2023/8/12更新。

好きな星・星座を見つけよう

夢中になっていることはありますか?アニメ、マンガ、スポーツなど、色々。好きな作品や登場人物、チームや選手が好きになるとその分野がぐっと好きになるといった経験はありませんか?どんな遊びでも夢中になると勝手に研究や勉強を始めているので実は遊びと勉強には境目がありません。

星や宇宙のことは学校の授業から知ることが多いのでお勉強のイメージが強いと思います。でも実際は僕たちが住んでいる世界も星だし、僕たちは宇宙の一部。人生そのものですし、宇宙を知ることは僕たちを知ることだったりします。

見上げればいつもそこにある星空の世界を今よりも好きになったら毎日がちょっぴり楽しいものになるかなと思います。その入り口に好きな星や星座を探して見つけてみてください。

案内人の紹介

今回案内させてもらった4人は静岡県中部地方の天文施設「ディスカバリーパーク焼津」でのプラネタリウム番組を作るワークショップで出会った。星空だけでなく寺社仏閣巡り(御朱印)好きの共通点も。

鈴木みきと

静岡県焼津市。コスモプラネタリウム渋谷の永田美絵さんの影響で星に興味がわいてから4年半。天の川を撮りたくて写真を始めてから2年。星空案内人(準)。天文宇宙検定2級。星検2級。ディスカバリーパーク焼津天文ボランティア。地元では筆ペン教室の師範と私設図書館の副館長をしている。コーヒーとサウナと旅行が大好き。

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河村幸子

静岡県静岡市在住。リコーダー&朗読担当。小学生が大好きで、地元の小学校にて朝は読み聞かせボランティア、放課後は算数先生をしています。リコーダーは一人で吹くより、皆で合奏するのが好きです。2つのグループに所属して音を奏でる喜びを日々感じています。

天野和代

静岡県静岡市在住。星空案内人(準)。ディスカバリーパーク焼津天文ボランティア。小さい頃から音楽が大好きで現在はピアノやエレクトーン、リコーダー等の演奏を楽しんでいます。

和田瑞紀

静岡県静岡市。マンドリン担当(普段は静岡マンドリン愛好会でマンドロンチェロを演奏)。星空案内人(準)、ディスカバリーパーク焼津天文ボランティア。

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案内人たちの推し天体紹介

鈴木のおすすめ

土星

太陽系第6惑星で地球の兄弟星。肉眼や双眼鏡ではただの明るい星だが、望遠鏡で見ると輪っかがついた、まるで冗談みたいな姿が見られる。とてもかわいいのでできることなら家に持ち帰りたい。かつてのつくば万博のマスコットキャラクター「コスモ星丸」は土星モチーフ、これで我慢します。

【メモ】土星は衛星(地球でいうところの月)が多い。2023年5月時点でなんと146個。発見された数を競っている木星が95個。2023/8/27に衝(しょう)を迎える。衝とは月でいうところの満月のこと。土星が一番明るく見られる。土星観察のチャンスは今だ!

さそり座

夏の夜空の低いところに現れる。TとSを足したような美しい形。双眼鏡を買って家の外に飛び出して覗き込んだときに最初に飛び込んできてその美しさに感動した。

【メモ】日本では昔から釣り針に見立てて魚釣星などと呼ばれている。さそりの心臓の星と言われるアンタレスは赤く輝く星。時折近くに来る火星と比べられる。

河村のおすすめ

オリオン座

推し星座はオリオン座です。この星座だけは迷わず星空から探しあてることができます。形も美しいし、色違いのキラキラ輝く一等星が2つもあるのもお気に入りポイントです。そして初恋の彼の目の横にオリオンのベルト部分と同じ3つのホクロが並んでいまして「オリオンの君」と呼んでいたのも懐かしい思い出です♡(河村)

【メモ】冬の星座。有名度ナンバーワン。主な星として1等星が2つ、2等星が5つで構成されるため非常に目立ち、探さずとも目に飛び込んでくる。冬の大三角の星を構成する赤くかがやくベテルギウス、冬のダイヤモンドを構成するリゲル。

天野のおすすめ

おうし座&すばる(プレアデス星団/M45)

5月生まれ牡牛座の私は、冬の星座のおうし座と、プレアデス星団(和名すばる)を推します。おうしの右目にあたる一等星のアルデバランは冬の夜空を彩る一等星のひとつです。

【メモ】おうし座にまつわるギリシャ神話ではゼウスの化身としてエウロパをさらう。冬のダイヤモンドを構成するアルデバランは赤色にかがやく星。

すばる(プレアデス星団/M45)

おうしの背中にあるもじゃもじゃっとした星の集まりがすばるで、双眼鏡で観るすばるは特におすすめてす。

【メモ】美しい散開星団。肉眼でも存在は確認できる。清少納言の推し星で自動車メーカースバルの名前とエンブレムのモチーフ。

和田のおすすめ

アルビレオ

月以外で、初めて望遠鏡で見せてもらった天体(たぶん)。星がただの点じゃないことを知った瞬間です。(和田)

【メモ】はくちょう座のくちばし、β星の二重星。肉眼や双眼鏡で見ても1つの星にしか見えないが望遠鏡で見ると2つに分かれて見える。それぞれ色が違って青とオレンジに見える。これを宮沢賢治はサファイヤとトパーズと表現している。

うさぎ座

初めて自分で調べて名前を覚えた星座。自分で調べて分かるのって楽しい!(和田)

【メモ】冬の星座。「なんでこの星の並びが◯◯座なんだ?」という星座が多い中で形がうさぎそのもの。オリオンに踏んづけられている構図。

見方のお話

ところで普段どんなふうに楽しんでる?何を良く使う?望遠鏡持ってる?

寝椅子

鈴木は双眼鏡も望遠鏡も持っていますが、一番これを使います。星空は長く見ていたいけれど、長く見ていると首が疲れてしまいます。寝椅子は自然な目線を斜め上にしてくれるので疲れずにずっと見ていられます。コールマンのインフィニティチェアは近年アウトドアやサウナでの外気浴、いわゆる「整いイス」として注目を浴びています。Amazonでは色によって35%オフまで下がることがありますよ。

インフィニティチェア/コールマン

双眼鏡

双眼鏡と望遠鏡に共通することは両方とも人間の視力を上げる「スーパーメガネ」であることです。日中の使用では拡大の用途で気がつかないかもしれませんが、弱い光もキャッチするので肉眼では見えない繊細な星々の様子を楽しむことができます。ご家庭にある双眼鏡でも十分です。月のクレーターも良く見えますよ。ただし視野が狭くなって空全体を見るのには不向きです。流星群など空全体のどこに出現するかはわからないものに関しては肉眼が一番楽しめます。星座などある程度広い範囲を楽しめる双眼鏡もあります。

笠井トレーディング 2x40mm 星空観賞用双眼鏡

望遠鏡

星を楽しむ道具の象徴的な存在ですが、結構難しく、高額、安易に買わない方が良いです。難しい理由は組み立て、設定、広い空の中で見たい部分が豆粒、など色々あります。

しかし、初心者からおすすめな望遠鏡がいくつかあります。

国立天文台望遠鏡キット 5,280円+送料

コルキットスピカ 3,780円

両方とも組み立て式。望遠鏡の基本的なしくみも学べます。三脚は付いていませんがカメラの三脚が使えます。国立天文台望遠鏡キットの方は組み立ては簡単。コルキットスピカは紙製なので色を塗ったりして個性的に仕上げることができ、きっと愛着がわきます!どちらも月の模様はバッチリ見えます!土星の輪っかも見えるかも!?もし物足りなくなったら次の望遠鏡に進みましょう。

星空ガイドアプリ

iステラ

イベントで紹介できなかったのですが、スマホを空にかざすと今見えている星が何かを示してくれるアプリがあります。私はiステラを使っていますが、様々なアプリがあるので探してみてください。(天野)

天体観測支援ツールSORA

天体観測支援ツールSORAは星空のシミュレーションとワークシートで天体観測の案内をするウェブアプリケーション。親しみやすい宇宙の本を多数出版されている国立天文台の縣先生が企画された。メニューや設定が少なく操作がわかりやすい。

安全のお話

一番大切なお話。星を見ることはおとなしいことだから危険なことはないと思われがちだが、実際はニュースになるほどの死亡事故が起きている。暗闇と遠くを見るときの足元に注意!

昼間ではありますが、案内人の鈴木も遠くの富士山が見えるところを人に教えようとして下に張ったロープに気がつかずに転び、コンクリートと骨で目の上の眉のところにある太い血管を切って大流血し救急車で運ばれた過去が…。

結局「遠くを見るときの近く」と「油断」がやばい!人に教えてあげられるぐらいの余裕を持とう!

安曇野で見る星について

  • 空が開けている。
  • 基本標高が高い(もっと高いところにすぐに行ける)
  • 街明かりが少ない
  • 水面が多い
  • 静か

静岡県には富士山という山があります。
美しくありがたいと思う一方で、静岡に住む案内人たちにとっては晴れていればいつでも見られる日常です。
安曇野の皆さんにとっての星空はそれに似ていると思います。私たちからするととてもうらやましいです。

安曇野の皆さんにおすすめの星座

りゅう座

安曇野と言えばりんご。
りゅう座はゼウスの黄金のりんごをヘラクレスから守るお話です。
夏の北極星の周りをぐるぐる周り一年中見られる星座です。近くの北斗七星に目が行きがちだが、一度見つけるとすぐにわかるようになるよ!

8/13ペルセウス座流星群

期間は7/17 – 8/24。8/13の17:00が極大(一番多い)。まだ明るいのでそこから暗くなっていく様子を一緒に楽しめる。
みずがめ座δ南流星群も同時開催中でこちらは7/12 – 8/23。

流星群の楽しみ方

空全体を見る。放射点はペルセウス座だがどこが見えてどこに流れるかわからないので全体をぼーっと眺めるのが良い。全天に現れるのでずっと上を見ていると首が疲れる。空の高いところを中心して自然な体勢で見られる寝椅子がベスト。寝ていて車に引かれるようなことがないように安全確保をしっかりしてから!

8/7七夕

七夕の話は日本各地で諸説ある。
時期は①7/7②8/7(月遅れ)③伝統的七夕(2023年は8/22。旧暦にあたる)の3つ。いずれも本物。
星空でいうと夏の大三角と天の川が舞台。
夏の大三角はこと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブで構成されている。
ベガが織姫でアルタイルが彦星。織姫と彦星を会わせる存在のかささぎやカータリがデネブだが、デネブひとつというよりははくちょう座そのものを示している。

安曇野・松本の七夕

時期は8/7で月遅れの七夕にあたる。日本の中でも独特で300年ほどの伝統を持っている。軒先や縁側に飾られる吊るし人形が特徴。厄祓いの意味がある。お盆と同時というよりは七夕とお盆がひとつの行事。彦星に合わせるために織姫を背負う謎の脚長おじさん「カータリ」も異色な存在。

松本駅前のベラミ人形店さんで誰でも簡単に作れる七夕人形キットが売っている。和田さんがInstagramで紹介している工作動画は必見。

朗読

たなばた / 君島久子(再話)、初山滋(画)

音楽

演奏者

リコーダー:河村、天野

マンドリン:和田

演奏曲紹介

星好きで演奏好きという共通点多き3人で、今回は「星や夕べに似合いそうな癒しの4曲」を選んでみました。(和田)

星めぐりの歌

宮沢賢治作詞作曲の歌で、著書「双子の星」「銀河鉄道の夜」に登場します。様々な星座が出てくる優しいおまじないのような歌詞を聞いていただきたくて、朗読とともにお届けしました。(和田)

星に願いを-When You Wish upon a Star-

この曲はディズニー映画『ピノキオ』の主題歌で、ピノキオのお目付け役のコオロギが歌います。何と歌っているかと言うと「輝く星に心の夢を祈ればいつか叶うでしょう。きらきら星は不思議な力 あなたの夢を満たすでしょう」
皆さんの夢は何でしょうか?夜空に広がる満天の星を眺めながら、ご自分の夢が叶うように祈ってみてください。(河村)

瑠璃色の地球

私たちの住む地峡も広い宇宙のひとつの星です。宇宙のどこかでこの地球を観て、きれいだなと思っている宇宙人がいるかもしれませんね。(天野)

いつも何度でも

この曲はジブリ映画『千と千尋の神隠し』の主題歌です。とても可愛らしい編曲になっていて、演奏する私たちもお気に入りの一曲です。皆さんにも弾む心で聞いていただけたら嬉しいです。(河村)

たなばたさま(E.C.)

アンコールをしてくださりありがとうございました。中国の昔話として朗読した『たなばた』にちなみ、日本の童謡を演奏しました。(河村)

あとがき

宇宙は長い歴史の中でずっと観察され、引き継がれ、考えられてきたのに未だ謎が多い。世界中の人々の考えを全て合わせてもまだ5%程度しかわかっていないと言われています。
つい最近興味を持った人も、どんなに頭が良い人も、まだまだ全然知らないことには変わりない。誰もが興味を持ち楽しめる世界だと思っています。

星空はどこでも気軽に見ることができます。だからこそ誰といつどこで見るかが大切だと思っています。また僕たちと一緒に星空を楽しみましょう。

ファインビュー室山の皆様並びに支配人の内田様、今回お声掛けいただいた前区長の大栗様、関係者の皆様、ご来場いただいた皆様に感謝いたします。

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