お盆って意味あんの?

「ばかやろう!意味あるわ!」
そうツッコんだあなたとは仲良くなれそうです。
お盆はご先祖を迎え、感謝を伝える大切な行事。
でも…、ちょっとだけ耳を貸してください。
その日付、本当に“死と生の世界がつながる時”と合っていますか?
お盆は本来、月の暦の行事だった
お盆の起源は仏教行事「盂蘭盆会(うらぼんえ)」。旧暦7月15日頃に行われてきました。
旧暦は太陽と月の動きを組み合わせた太陰太陽暦。
そこでは月の満ち欠けが重要な意味を持ち、新月は“死”、満月は“生”を象徴していました。
そして、そのちょうど中間にある半月=上弦の月が、死と生の扉が開く瞬間とされていました。
旧暦7月7日、この日が七夕であり、お盆の入りの日だったのです。
七夕とお盆はひとつながりの行事だった
七夕は星の行事であり、同時に月の行事でもありました。
- 七夕(旧暦7月7日)=お盆入り
- 半月から満月へと向かう期間=ご先祖を迎えて過ごす時
- 満月=お盆のクライマックス
つまり、七夕から満月までの約1週間は、死と生が交わる特別な期間。
月の暦なくして、お盆は成り立たなかったのです。
ではなぜ今は8月中旬なのか
明治6年(1873年)、日本は新暦(太陽暦)に移行しました。
七夕は数字通り7月7日へ移され、お盆は本来の旧暦7月15日に近い8月中旬(13〜15日)に固定化されました。
理由はまず、農繁期を避けるため。
そんな時期では行事どころではなかったことが考えられます。
そして戦後、学校や企業の夏休みがこの時期に合わせて定着し、「お盆=夏休み中に帰省」という全国的な風景が固まりました。
結果、行事は残ったが、“死と生の扉が開く時期”からはズレてしまった。
現代のお盆は、現世(こちら側)の人間の都合に合わせた日付になっていて、向こう側の方のことを考えていない、とも言えます。
行事には気持ちを、気持ちには形を
とはいえ、現代の新暦お盆も大切です。家族や親族が集まれる時間は貴重。
でも、月の暦を知れば、旧暦お盆にも心を寄せたくなります。
私の結論はこうです。
行事は新暦に合わせ、気持ちは旧暦に寄せる。
行事には気持ちを、気持ちには形を。
そのため、私は「旧暦七夕から満月までの楽しみ方」を提案します。
旧暦七夕〜満月までの現代風お盆プラン
1. 七夕(旧暦7月7日/お盆入りの日)
- 笹飾りと五行短冊
五行思想の色(青・赤・黄・白・黒)で短冊を作り、ご先祖への感謝と自分への未来メッセージを半分ずつ書く
デザインは和紙や透け感素材、モダンなフォントでスタイリッシュに - 星空鑑賞
天の川、織姫星(ベガ)、彦星(アルタイル)を見上げる。半月と一緒に観察すれば「死と生の境目」を実感 - 七夕そうめん
五色の具材で彩り、オクラやパプリカで星型を添えて。涼やかな器で演出
2. 七夕から満月まで
- 迎え火
香り付きキャンドルやランタンを玄関に灯す。白檀や沈香の香りで空間を整える - 夜の時間を静かに過ごす
照明を落とし、キャンドルや間接照明で過ごす。月が満ちていく様子を毎晩少しずつ眺める - 日々の供物を食卓に
季節の果物や精進風のおかずを供え、あとで家族と一緒にいただく
3. 満月(お盆クライマックス)
- 送り火
現代的には柔らかな光の行灯ライトやランタンでお見送り。
※地域によっては翌日の8月16日を送り火とする例もあります。京都の「五山送り火」はその代表で、8月16日の夜に大文字や船形などの火文字を山に灯し、ご先祖の霊をあの世へ送ります(京都市観光協会公式情報より)。 - 満月の食卓
白い花や果物を飾り、旬の食材を使った料理を囲む - 最後に満月を見上げ、静かに手を合わせる
二度楽しむお盆
こうすれば、
- 新暦お盆=地域や家族の行事
- 旧暦お盆=月と星を意識する心の行事
として二度お盆を過ごせます。
この記事を書いているのが2025年8月15日。伝統的七夕は2025年8月29日で、満月は9月6日です。まだ間に合う、旧暦の七夕から満月までの間、空を見上げてみませんか。
月と星と人をつなぐ、お盆本来の意味が、きっと感じられるはずです。
※この記事は、私自身の知識や調べた範囲からまとめた内容です。地域や宗派、起源によって風習や時期が異なる場合がありますので、あくまで一つの見方としてお読みください。






